ようこそ。147分の奇妙な祝祭へ。
優しいものはとても怖いから
泣いてしまう貴方は優しいから
誰にも傷が付かないようにと
ひとりでなんて踊らないで
どうか私とワルツを
ミッドサマー
2020年公開
アリ・アスター監督
フローレンス・ピュー主演
〜あらすじ〜
とある冬の日、不慮の事故により家族を失った1人の女性ダニー。
家族を失った事で精神的に不安定な状態の彼女だったが、翌年の夏に彼氏であるクリスチャンらと共に彼の大学の友人ペレの故郷「ボルガ村」で行われる90年に1度の夏至祭へと赴くこととなる。
自然に溢れた風景や村人のおもてなしに魅了されていく彼女達だったが、
ある事をきっかけに事態は一変する。
さぁ、147分の祝祭の始まりだ。
〜感想〜
夏至祭に行くまでの過程がすごく長いと感じてしまったのが最初の印象。
ただ!!
夏至祭が行われるボルガ村に入ってからの出来事や描写を考えると、むしろ村に費やす時間をあれ以上長くしてしまっていたら私の頭が本当おかしくなっていてたかもしれない。
村に入るまでは室内にいる場面が多くどんよりとしていた映像も村に向かうにつれ、輝度と色合いを増し、視覚でもその状況の変化を魅せてきた。
そして、その明るさが村人達の言動をより不気味にしているようにも思えた。
また、起きた出来事の処理が追いつかないまま先へ淡々と進み映画の経過時間も映画の中の時間軸も分からなくなってしまった私は、ただ目の前で起きた出来事を呆然と見ることしかできなくなってしまった。(もうなんか恋愛事情とかどうでも良くなっちゃう。笑)
見入ったという表現よりは見ざるを得ない状況に無理やりさせられたと私は思っている。(好きとか嫌いとかではなく。)
良い意味でこんな映画よく作れるなと感じた。
当たり前だと思っていることはある種当たり前ではないというこの心理を極限にするとこんな村になるのかもしれないし、本当に遠いどこかの村ではあるのかもしれない。
正直、あまり心の弱い方にはお勧めはしません。
あー、日本に生まれて良かった!!