読書と私。

読書が苦手だった。

 

文字から感情を読み取ることができず国語はいつも点数が低かった。

 

「下線部からこの時の筆者の考えを答えよ。」


こういった問いに関しては

「出題者のお前、筆者でもないくせに何偉そうに筆者面してんだよ。

お前に筆者の何が分かるんだ。生きてる内にそう言ってたのか筆者が。」

と思うことが山ほどあった。

 

そういことがあると学校の先生は「本を読む力をつけると良い」、塾の先生は「そんなの下線部の前述に答えが書いてあるだろ!!」と言ってくる。つくづく嫌気がさした。


そんなこともあり、読書なんてしても無駄。読書しなくたって人生に何の影響もないと決めつけていた。

 

しかし、半年ほど前のことだった。

ある資格の勉強のために参考書を買いにいった。

 

本屋なんてそんなに行くこともないので色んなコーナーを転々と回ってみた。

 

その中で一冊の本を見つけた。

 

「言い訳~関東芸人がなぜM-1で勝てないのか?~」 著 塙宣之 (ナイツ)


私はお笑いが好きなので、「関東芸人がなぜM-1で勝てないのか?」という

文字に惹かれ思わず買ってしまった。

 

M-1の歴史や関西、関東のお笑い文化の違い、事務所の大小など様々な視点から勝てない理由が書かれていてすごくおもしろかった。

その時、私は初めて誰かの頭の中を覗いたような気がした。

勿論、本を出しているのだから著者からしたら頭の中を見せているようなものだと思うのでそれは当たり前なのだけれど。

 

 

頭の中=その人の考え方

お笑いが好きな私。

 

そこから芸人さんの考えてることに興味を持った私は芸人さんの本に手を伸ばすようになった。

今いる芸人さんのテレビで見る姿と自叙伝やエッセイ本に書かれている文体がなんとなくリンクするので見やすさもあった。

そして何より、共感できることが見つかった瞬間が嬉しかった。

 

そこから約半年が経った。

 

「僕の人生には事件は起きない」ー 著 岩井勇気(ハライチ)
「天才はあきらめない」ー 著 山里亮太(南海キャンディーズ)

「芸人前夜」ー 著 中田敦彦(オリエンタルラジオ)

「夜が小沢をそそのかす」ー 著 小沢一敬(スピードワゴン)

「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞のセレブ犬」ー 著 若林正恭(オードリー)

「イルカも泳ぐわい」ー 著 加納愛子(Aマッソ)

「社会人大学人見知り学部卒業見込み」ー著 若林正恭(オードリー)

「僕がコントや演劇のために考えていること」ー著 小林賢太郎(元ラーメンズ/パフォーミングアーティスト)

「こばなしけんたろう」ー著 小林賢太郎(元ラーメンズ/パフォーミングアーティスト)

「革命のファンファーレ」ー著 西野亮廣(キングコング)

 

 

いつの間にか立て続けに本を読むようになっていた。

 

私は気づいた。

 

読書が苦手だから読書したくない。
そもそも読書ができない。
読書をしなくても人生に何の影響もない。

 

そういうことではなかった。
勝手なイメージに憑りつかれたまま「読書」を頭ごなしに否定してただけ。

興味が湧く自分に合った本を探そうとすることをただ諦めていただけ。

好きなこと、ものに関する本から読み始めることが大切なんだと。

そこから派生して色んな本に手を出すことがあるかもしれないということ。

 

自分はその一歩すら踏めていなかった。

 

今は違う。 

 

好きなものに関連している本に没頭している自分がそこにはいるから。

 

読書ができているのだ。

 

やっと感じることができた。

読書は無駄ではないということ。

様々な人の考え方、心情、知識を見ることのできるとても大切なツールなんだと。

 

初手から

 

「世の中のこと知っておかなきゃまずいかな・・・」

「こういうことは覚えておかないと・・・」

 

という気持ちが乗ってない本を無理矢理買ったとて到底続くはずがない。

興味が湧いたらまず手に取ることが大事。

(とはいえそこには人によって性格というものがあるので、少なからず私はそうなんだと言っておきたい。)

 

そして、自分が「お笑いが好き」ということを本を読んでいる時間再認識できることがなにより嬉しかった。

(「たかがそれくらいで何言ってんだよ。お笑い好きならQuick JapanとかOWARI Brosとかも読めよ!!」なんて言われるかもしれないけど。)

 

好きなことで選ぶ。

 

こんな一歩をやっと踏めた。

 

遅いか早いか。

 

そんなことはどうでもいい。

 

踏めたことを大切にしていきたい。

 

いつかはもっと世界を広げてみるよ。

 

知らんけど。

 

読書始めました。