手と私。

運動不足にはなりたくないものだ。

 

草野球をやっているが、試合の数もまちまちで月に1回、2回あるかないかである。

だから、少し動いておかないと草野球の時、動けず、走れずになってしまう。

そのため私は時間がある時は筋トレやランニングを行なっている。

 

このお盆期間中クーラーのある部屋でのんびりウーバーイーツな日々を過ごし全くそれを怠っていた私は意を決してランニングをしようと外に出たのであった。

 

ランニングをする時は必ず1つのアーティストを選びそのアーティストの曲を聴き続けている。なんとなく始めたその行為も今では定着し、むしろその為に走っているんではないかと思う程にもなった。

 

ちなみに今回はKing Gnu

白日で一躍人気者となったバンドである。

よし、Teenager Foreverを聴いて井口のように走ろう。

と心に決めた。

 

しかし、照り付ける太陽とアスファルトの熱はクーラーの部屋に慣れきった私の体を受け入れてはくれなかった。

たった2kmで私の体は悲鳴をあげた。いつもであれば2kmなんて淡々と走ってるのに。

足が止まってしまった。これは厳しい。

休んでランニングを繰り返すがいつものランニングのペースでは体がついていかない。

だが、このまま簡単に家に帰る訳にはいかない。

 

そう思い私はランニングを諦めウォーキングに切り替えた。

動いてなかった分、動いてなかった分。

頑張れ体。

と自分自身を鼓舞しながら歩く。

 

いつもとは違うエリアだったので新鮮な気持ちで歩くことができた。携帯で目標を有名スポットにしそこまで頑張って歩くことにした。その距離は7km(先程の2kmを含む)。折り返しも考えると合計で14km程だ。

 

辛いとかはいつの間にか頭から消え、そのスポットを目指すということ、14kmを歩くということ集中した。

 

コンビニに何度も入り水を買って飲み干しては歩く。

 

折り返しも過ぎた14km付近で私は体の異変に気付いた。

 

手が異様に浮腫んでいるのである。

なんだこれは。いつから私の手はこんなにもクリームパンのようにパンパンになっていたのだ。しかも、中身はクリームというよりは茹でた鳥のササミのように固く感じる。他に体に違和感もない。ウォーキングに変更してから疲れも思っていた程ではなかった。ただ、ただ、指がパンパンだったのだ。

 

ギターの練習のせいで指が太くなったんだきっと。とその時はなんとなくスルーしまった。

 

指がパンパンのままゴールの自宅へ着いた。

時間と共にパンパンの指は元通りになった。

なんだったんだろう。と思いつつ、翌日は1日中頭痛が酷く災難だった。

 

運動不足は解消されたがその後に悩まされた事を面白いと思い会社の先輩に陽気に「この前手がクリームパンみたいに!!」と話した翌日の今日。

 

朝の情報番組がこの時期の運動について取り上げていたのを偶然見た。

「ランニングやジョギング、ウォーキングなどする方は水中毒に気をつけてください。」

 

ー はて?水中毒とはなんぞや。

 

「運動して水だけを取りすぎると低ナトリウム血症になり、疲労感や頭痛、目眩、浮腫など体に変化が起こります。」

 

ー そういえばあの時はずっと水しか飲んでなかったなー。だからかー。 

 

「重症の場合は死に至ります。」

 

ー ………。

 

「皆さんその予防には…」

 

私は絶句した。朝からそれはもう絶句した。

つまり、そのまま歩き続けていたら大変な事態になっていたということである。

体は強い方で風邪などもあまりひいたことのない私であったがこればかりは危険な状態を体が教えてくれていたんだと気づけてあげられなかった自分を責めた。

 

 

ちなみに翌日の頭痛はクーラーの効き過ぎた部屋にいたせいだ。

クーラー病である。

 

 

暑い夏。

水中毒とクーラー病。

 

この時期に陥りやすい症状にあるあるのようになってしまった。

 

運動不足にはなりたくないが、TPOを間違えて帰らなぬ人にはなりたくない。

 

クーラーの効いた部屋には居たいが、1日頭痛に悩まされたくない。

 

皆さんもこの時期の飲料水やクーラーの使用には気をつけて。