小林賢太郎演劇作品 うるう
〜さっとあらすじ〜
森の奥にはうるうというオバケがいる。
決していってはいけません…。
1人の男(ヨイチ)と大きな木。
そこで出会うは1人の少年(マジル)。
2人は偶然にも同じ誕生日。
2人はどこか似ているようで全く違う。
次第に2人は仲良くなるが、男は少年に隠していた事を打ち明ける…。
この作品を観る度に個人的に思うのはやっぱりその演出の素晴らしさです。
チェロ奏者でも有名な徳澤青弦さんを迎え、舞台で繰り広げられるヨイチとマジルの掛け合いをチェロの音色で物の見事に表現する凄さ。
マジルという少年を小林さんの演技と徳澤さんのチェロの音であたかも1人の演者として造りだしてしまう程の2人の完成度の高さ。
そして、ヨイチが少年と出会うことで自分が避けていた何かを取り戻せそうになりつつも、やはり自分は…とまた否定してしまう心の中の葛藤を小林さんが演じることで観ている私も自分とヨイチを重ねて合わせてみたり、マジルと会話できているようなそんな気がしました。
また、ストーリーの合間に小林さんらしさが見えて、より舞台にメリハリがあってそこはファンとしては実に楽しい。
それだけではありませんが、最後の最後まで見逃せない展開とその演出の素晴らしさに分かっていても感動します。
4年に1回行われるこの作品。
観るのは3回目。
つまりは8年経った訳です。(2012.2016.2020)
私も8つも歳を取りました。
でも、この作品は歳を取る分だけ価値があります。
4年に1回だからこそ感じるものがあるのかもしれません。
色んな形とパフォーマンスで魅了してくれる。
舞台において同じ舞台は1つとしてなく、それが4年経とうと8年経とうとその日観たものはその日だけのものだと思います。
今回初めてだった方もまた4年後。
もう何回も行ってるよという方もまた4年後。
違ったうるうに会えることを。
そしてマジルに会えることを。